【トランペット初心者必見】力みすぎて音が出ない原因と改善法｜息を先に流すだけで劇的に変わる練習術

トランペットを始めたばかりの頃、多くの人が「力みすぎて音が固くなる」「そもそも音が出ない」という悩みにぶつかります。かくいう私も、まさにその典型でした。今回は、私自身が経験した“力み癖”が引き起こした問題と、その改善につながった「息を先に流してから唇をセットする」というシンプルな解決法について詳しくお話しします。

力んでしまうトランペット初心者の典型パターンとは？

私がトランペットを手にしたばかりの頃、吹く前から肩や腕、そして口周りがガチガチに固まり、「よし、吹くぞ！」と気合いを入れるほど音が詰まり、かすれ、全く響かない状態でした。せっかくマウスピースを口につけても、息を吸うと同時に体に力が入り、息がストンと前に流れていかないのです。

「頑張らないと音が出ない」という思い込みが強すぎて、息を押し出すというより“押し固めている”ようなイメージでした。緊張して顎や口輪筋に余計な力が入るため、結果として唇が振動しにくくなってしまい、音が細く不安定になっていました。

なぜ力んでしまうのか？ 原因は「息より先に構えようとする癖」

当時の私は、音を出すためにまずアンブシュアを作り、それから息を入れる、という順番で吹いていました。一見正しく聞こえますが、実はこれが大きな落とし穴でした。

アンブシュアを先に作ると、どうしても口が固まり、唇が動きづらくなります。その状態で息を通しても、息がスムーズに前へ流れず、結果として音が詰まったり、力んで喉が閉じたりしてしまうのです。

さらに、構えを意識しすぎると「ちゃんとした音を出さなきゃ」というプレッシャーが無意識に働き、肩や首、腕まで余計な力が入ります。初心者がよく陥る力みの正体は、まさにこの「息より形を優先する思考」にありました。

解決方法：息を先に流してから唇をセットするだけで吹きやすくなる

そんな私が劇的に吹きやすくなったのは、先生に言われた「構える前に、まず息を前へ流すイメージをつくってみて」という一言がきっかけでした。

具体的には、次の手順で練習しました。

• ① まだマウスピースを唇につけない状態で、フーッと軽く息を前へ流す
• ② 息を流したまま、そっとマウスピースを唇に寄せていく
• ③ 息が流れ続けている状態で音を鳴らす

これだけです。たったこれだけで、今までの力みによる詰まりがウソのように消え、スムーズに音が出るようになりました。

実際にやって感じた効果：音が軽くなり、肩の力が抜けて吹けるように

この方法を取り入れた最初の日、吹いた瞬間に「あれ？音が柔らかい…！」と驚きました。息がスムーズに流れていることで唇が自然に振動し、余計な力が要らないのです。

これまで私は、音を出すために唇をギュッと締め、息を押し出していました。しかし、息を先に流すようにしてからは、息の出しやすさのおかげで唇を無駄に締めなくても音が鳴るようになり、結果として疲れにくくなりました。

さらに、構える前に息を出すクセがつくことで、肩や首の緊張も自然と抜け、長時間の練習でも力みによる疲労がほとんどなくなりました。当然、音の立ち上がりや安定感も改善され、練習が楽しくなったのを覚えています。

まとめ：力みは「息の順番」を変えるだけで改善できる

トランペット初心者が力んでしまう原因は、音を出すために形を整えようとしすぎて、息が後回しになってしまうことにありました。「息 → 構え」の順番に変えるだけで、自然に力みが取れ、音が軽く、響きやすくなります。

もし今、あなたが「力んで音が出にくい」「すぐ疲れる」と悩んでいるなら、ぜひ一度、息を先に流す練習を試してみてください。シンプルですが、吹き心地が驚くほど変わります。初心者こそ、この小さなコツが大きな上達につながります。