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【トランペット初心者向け】高音で口がつぶれる原因と「下唇の支点」を意識する改善方法
トランペットを始めてしばらく経つと、多くの人がぶつかる壁があります。それが「高音になると口がつぶれてしまう」という問題です。私もまさにその一人で、強く吹けば吹くほど音はつぶれ、アンブシュアは崩れ、自信を失いかけていました。ですが、あるポイントを意識するだけで一気に改善した経験があります。それが“下唇の支点を意識する”という方法です。
高音になると口がつぶれてしまう…私の失敗体験
私がトランペットを始めて半年ほど経った頃、吹奏楽の曲で高いソやラをしっかり出す必要がありました。しかし、高音に差しかかると必ずと言っていいほど口がつぶれ、唇がマウスピースに押しつぶされるような感覚になってしまうのです。
出てくる音は、かすれたり、つまったり、ひどいときは音がまったく鳴らないこともありました。練習すればするほど逆にアンブシュアが不安定になり、「自分には高音は無理なのかな…」と落ち込む日が続きました。
ある日、先輩に「力んでるよ」と言われ、自分の吹いている姿をスマホで撮影してみました。すると、驚くほど上唇でしか支えていない吹き方をしていたのです。息を強く入れると上方向に引っ張られ、結果的に唇がつぶれてしまっていました。
なぜ高音で口がつぶれてしまうのか?原因を解説
1. 上唇に力が入りすぎている
多くの初心者がやりがちなのが、上唇だけで音を支えようとしてしまうことです。高音を出そうとすると、どうしても息を強くしがちで、その圧力に負けて唇がつぶれてしまいます。
2. 下唇が“支点”になっていない
トランペットのアンブシュアは、実は下唇を安定した支点にすることがとても大切です。支点が不安定だとマウスピースとの接触がズレ、高音に耐えられなくなってしまいます。
3. 息の方向が上に流れてしまう
唇がつぶれる原因の一つとして、息が上方向へ逃げてしまうことが挙げられます。これにより、唇のバランスが崩れ、高音が安定しません。
改善のカギは「下唇の支点」だった
悩みに悩んでいたある日、プロの先生のレッスンを受ける機会がありました。そのときに言われたのが、
「高音は上唇で頑張るんじゃなくて、下唇で支えるんだよ」
という言葉でした。
最初は意味がよくわからなかったのですが、実際に鏡を見ながら吹いてみると、自分の下唇は常に不安定で、ほとんど支点になっていませんでした。そこで、次の点を意識しながら吹くようにしてみました。
下唇の支点を意識する練習方法
① 下唇を“軽く前に押し出す”イメージを持つ
下唇をぐっと突き出すのではなく、ほんの少し前に出すだけで構いません。すると、マウスピースとの接触が安定し、息が中心に集まりやすくなります。
② 息の方向を“少し下げる”イメージで吹く
高音を出そうとすると息を上に向けてしまいがちですが、むしろ息を“まっすぐ、やや下方向”に流すと下唇の支点が安定します。
③ 低音のロングトーンで支点を確認する
高音をいきなり練習するのではなく、まず低音で下唇の安定を確認するのが効果的です。低音のほうが安定しやすく、感覚をつかみやすいからです。
下唇の支点を意識した結果、音が劇的に安定した
この練習を続けて数日、私は自分でも驚くほど音が変わりました。
- 高音で唇がつぶれなくなった
- 音が細くならず太く鳴るようになった
- アンブシュアが崩れにくくなった
- 長時間吹いても疲れにくくなった
特に、高いラ以上の音が以前よりも楽に出せるようになり、苦手意識が一気になくなりました。支点が安定すると、息のエネルギーがしっかり音に変換されるので、自分でも「音が飛ぶ」感覚がはっきりわかるようになったのです。
今まで力任せに吹いていたことに気づき、もっと早く知りたかった…と思うほどの変化でした。
まとめ:高音が苦手な人ほど「下唇の支点」を試してほしい
トランペットの高音で口がつぶれてしまう原因は、「上唇だけで支えようとしている」ことにあります。その解決策として、
下唇を支点にするアンブシュア
を意識することが大きな効果を生みます。
これは特別なテクニックではなく、初心者でも今すぐ実践できるシンプルな方法です。高音が苦手な方、口がすぐつぶれてしまう方は、ぜひ今日の練習から取り入れてみてください。きっと音の安定感が変わるはずです。

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