卒業式、丁寧で心に響く演奏

吹奏楽部の一年

1月の終わりから2月、寒い寒い冬がだんだんと終わりに近づいて少しずつ温かくなってくるころです。一部を除いて一通りのコンクール・コンテストは終わってようやく年度末を迎えます。

と、思ったら卒業式という大イベントがありますね。今まで自分たちを引っ張ってくれた先輩方がいなくなる…というのはさみしい気持ちになりますね。そこで今回はその卒業式に向けた練習の事を書いていきます。

目次

感謝と、自分たちでやっていく決意

卒業式では主に入退場、式中に合唱する際の伴奏としての演奏をします。静かで厳かな式典なのでミスをしては卒業生がコケます(笑)。丁寧な演奏を心がけたいものです。

コンクールやコンテストとは違い、順位というか勝ち負けが絡むものではないのでちょいちょいと練習すればいいやなんて思ってしまうかもしれませんがそうはいきません。実際に曲自体もそれほど難しくないので自然と緊張感はなくなります。

でも、それでいいのでしょうか?

今まで自分たち後輩を引っ張ってきてくれた先輩方、もしかしたらいなくなってせいせいすると思っている人もいるかもしれませんが(笑)、1年もしくは2年もの間を一緒に過ごした人たちです。最後は感動的に送り出してあげようじゃありませんか。

先輩は、「後輩たちに任せて大丈夫だろうか?自分たちは伝統をちゃんと伝えられただろうか」という不安を持っています。後に残した後輩の心配をしているのです。そこでしょぼい演奏をしてしまっては、「ああ、この演奏はダメだ。この部活はもうもたない…」と不安を残したまま卒業してしまいます。これでは後味が悪いですね。

という事で、コンクールなどと同様、いやそれ以上に頑張って練習をしようじゃないですか。卒業式の演奏は最上級生を除いてする初めての合奏です。ここは下級生の力を総結集して素晴らしい演奏をするのです。

その演奏を聴きながら卒業生は退場する…その時に先輩は「なんだ、後輩たちでもこれだけ素晴らしい演奏をするんだな…良い部活に、良い後輩に恵まれたんだな」と感動しながら学校を後にすることでしょう。そして自分たちがいなくても部活が大丈夫なんだという事に少しの寂しさを感じながら…。

どうですか?なかなかドラマティックじゃないですか?音楽というものは人の心を動かします。私個人としては、これこそが音楽の本来あるべき役割だと思うんです。だから、卒業式こそ一番素晴らしい演奏をする、それが出来る良い機会だと…。

二つの「卒業」

先輩は学校を、そして部活から卒業します。でもそれだけではありません。残された人も、「後輩」という立場を卒業するのです。4月になれば新しい後輩が入ってきます。自分たちが最上級生になれば頼りたい先輩はいないのです。自分たちが主導権を握っていくのです。

だから、残された後輩は感謝と祝福の気持ちを込めて最後の演奏をして卒業生を送り出します。それとともに、自分たちも新たな立場と決意を持って次の時代を築いていく門出、そういうタイミングなのです。

卒業ソングはたくさんあります。どれも素晴らしい曲ばかりです。しかしどんな曲であれ、一番素晴らしい演奏をするようにしたいものです。1年の集大成として。

それでは、感動的な卒業式を!

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