管楽器の演奏、そして人体、どうしても出てくる問題があります。
「息」が続かない問題です。人間は息を吸って吐いて呼吸していますし、肺の大きさにも限界がありますからブレスの必要が出てきます。
まあ、当たり前の話ですが(笑)
目次
素早く正しいブレス
長音や激しい演奏が続くときなど、素早く大量の空気を肺に取り込まなければなりません。しかも素早くやらないとリズムが崩れます。ブレスに時間をかけていると音の出だしが遅れてしまいますからね。
必要なものは瞬発力です。口を開けて「ハッ」と一瞬で息を吸うようにしましょう。ここでは、やはり腹筋が必要となります。
横隔膜を下げる
横隔膜を下げれば息は自然と肺に入ります。横隔膜を下げることに意識を向け、あとは口を開いておけば空気は勝手に肺に入ってきます。したがって、意識しなければいけないのは「吸う」のではなく「横隔膜を下げる」事です。
水泳でいう「息継ぎ」が似ていますね。クロールなり平泳ぎなりで一瞬だけ顔を出して息を吸う、まさに同じことをしています。
アンブシュアをすぐ戻す
そして、アンブシュアをすぐ戻す事は重要です。息を肺に取り込めてもアンブシュアを素早くもとに戻さなければ音が出せません。自分のアンブシュアをしっかり記憶して素早くもとに戻せるようにしましょう。
テンポは合っているのに音が汚いと聴くに堪えない音楽になります。また音は綺麗だけどテンポがズレてはグチャグチャな演奏になってしまいます。その部分も気を使うと良い演奏が出来ます。
腹筋と呼吸の練習はしっかりやる
全ての練習にいえることではありますが、すぐに出来るようになるわけではありません。この練習がうまく出来るようになるためにも腹筋と基礎的な呼吸法はしっかりとやるようにしてください。
素早いブレスの練習
メトロノーム120で練習しましょう1,2,3,4と繰り返しカウントしてください。
1,2,3は待機してください。
4拍目だけで「ハッ」と吸って次の1,2,3,4で「ハー」と吐きましょう。この場合、1だけ勢いよくやるのではなく1,2,3,4拍を使って安定した息の量にするようにしてください。
慣れたら4の裏拍で吸ってやってみてください。4の裏拍で吸うだけであとは変わりません。
これが出来るようになったら次に、実際に楽器を構えてやってみましょう。
まず音は出しやすい音でいいです。楽器を使ってやってみる練習は、アンブシュアをすぐに戻せるようにする目的で行います。
音は最初から最後まで安定しているか、音の出だしは綺麗かを確認しながらやった方が上達は早いです。
まとめ
素早く正しく綺麗なブレスをするためには
- 横隔膜を下げて肺に一気に空気を取り込む
- そのためには腹筋と呼吸の練習を欠かさないことが前提条件
- アンブシュアを正確に素早く戻せるかで綺麗な演奏が出来るか決まる
以上になります。
演奏にはこういった見えない努力が必要になってきます。よく吹奏楽部では強豪校の演奏を聴いてみるとブレス時の「ハッ」の音が聞こえます。これも良い演奏の一部だと思って頑張ってください。