ロングトーンを練習し、豊かで美しい音を響かせよう

音を響かせたい、豊かな音を出したい、もっといい音が出したい・・・。楽器をやっている人の終わりなき願望であり探求です。

その願望に近づくための練習が、ロングトーンです。ロングトーンとは音を長く伸ばす練習方法です。音を長く伸ばすことによって、音を安定させ、響かせる訓練が出来ます。

「音」というものは楽器だけで響かせるものではありません。体全体を使って響かせるものです。そしてその響きを楽器に伝えるためには息の量とスピード、アンブシュアをベストな状態にする必要があります。

ただ長く吹いていればよいのではないので、その部分を注意しながら練習していきましょう。

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音を響かせよう

まず、イメージをしましょう。

あなたは今、山の頂上にいます。眼下には雄大な大河が見え、遠くに見える海に流れ込んでいます。ふと足元を見ると、湧水がコンコンとわいています。

足元で湧いている水はあなたの息、河はその空気の流れ、海はベルの外(ホールなど)だとしてください。

河は常に湧き出る水を必要とします。同じ水は流れません。自分の吹いた息が楽器の中で大きく響き、ベルから出ることには豊かな響きとなっているようにイメージしてください。

悠久の河は永く続きます。自分も長く優雅に吹き続けられるように努力してください。そして自分の息が湧水のように常に湧き続けられるようにイメージしてください。

湧水が湧き出るためには多くの地下水が必要です。ブレスするときは大きく息を吸ってください。

下記の3種類の練習方法は自分をチェックしやすいです。

  1. 同じ強さで出来るだけ長く吹く練習
  2. 最初は弱い音で、そこからからだんだん強く吹く練習
  3. 最初は弱い音で、だんだん強くしていき、その後だんだん弱く吹く練習

自分をチェックしよう

吹きながら「自分の音は大丈夫か」「自分のイメージする音(音色)が出ているか」「体(姿勢・視線・アンブシュア)はベストな状態か」「音は響いているか」等々のチェックをし、改善をしていくのです。

これは鏡(出来れば姿見)で自分を見ながらチェックすると効果的です。また、マウスピースだけでもできます。楽器でやってうまくいかなかったらマウスピースのみでやってみてください。

腹式呼吸を意識してください。胸式呼吸、肩に力の入った呼吸では響きません。

安定した量で吹いてください。また、息漏れがあると響きません。

姿勢はまっすぐにしてください。猫背や、逆に反っているとうまく息をはけません。

視線は前を向いてください。視線で音は変わります。

無駄な力が入っていると音は響きません。力を抜いて体で音を響かせることを意識しましょう。

頬は膨らませないでください。力の入っていない真顔の状態で吹きます。

唇の中央に力を入れないでください。音が響かなくなります。

唇の両端が固定してください。アンブシュアは正しい方法でやりましょう。

マウスピースは正しく口につけてください。唇の真ん中に、そっとつけてください。押し付けず、離さずです。

唇はちゃんと振動しているか確認してください。変な音が口から漏れているともちろんだめですし、マウスピースに振動が伝わらないと楽器から音がちゃんと出てきません。

また、自分の吹いた音も確認してください。録音して聞き直し、不安定な音になっていないか、響いているかチェックしてみましょう。自分の目標とするトランぺッターの音と聞き比べるのも効果的です。

おわりに

そして練習をするうちにベストな音が出せることでしょう。そしたらその音を吹いているときの自分を記憶しましょう。記憶するのは前述のチェック事項です。それがどんな状態かを覚えておいてください。

さらに練習しながらベストが更新されたらまた記憶しなおしてください。そうすれば徐々に徐々に良い音が出せるようになります。

この練習では、響かせることを意識して吹いてください。響かせるというものは、ただ単に大きな音にすることではありません。爆音は単に破裂音になったり、音が割れます。

なにより無駄に疲れます。

あくまで「体全体で響かせる」音を目指し、メゾフォルテくらいの音を意識して練習してください。メゾフォルテでうまくできるようになったらピアニッシモや、フォルテッシモで出来るように練習をしていってください。

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